末野興産その4

その翌々日の2月25日、
衆院予算委員会で参考人質疑が行われ
ブラウン管の前に姿を見せた末野社長は

 

 

「グループ会社には一切売却していない」

 

 

と否定、木津信に関しては、記者会見での説明とは
違った内容になっていました。

 

木津信用組合との関係は同組合が破たんする直前も

大阪府吹田市津雲台の高級住宅街456平方メートル
の土地を

 

末野社長の長女が代表を務める
「南千里開発」が購入。

 

そのとき資金を貸し出し、2億円の根抵当権を設定。

 

そして、長男が役員を務めるパチンコ店経営の
「日新観光」に転売されたのですが、

その時、2億円の根抵当権が外されていました。

 

その時期は、ちょうど末野興産から預金の解約を
打診されていた頃、ということもあり

 

 

事実上の「情実融資ではないか」

と噂されていました。

 

 

その土地も、捜査のメスが入ると報道されるように
なった時期から、工事がストップし

 

 

コンクリートに大きく「資産かくし」

と落書きされるようになりました。

 

 

 

 

そもそもの話として、

事の始まりは、大蔵省(当時)が金融機関の

不動産向け融資を

 

「総量規制」

 

といって引き締めたところから始まりました。

 

それを受けて、富士住建、朝日住建の金利支払いがストップ。

 

続いて平成2年秋ごろには、末野興産も金利の支払いを
ストップ。

 

 

その前後に約1千億円の預金が消えて
なくなっていました。

 

後から判明したことですが、これらS資金は全て

 

 

「大阪観光開発」

 

 

「ワールドエステート」

 

 

「新町興産」

 

 

「天翔」

 

 

「四ツ橋ビルディング」

 

 

などの子会社に分散されていたとされています。

 

帳面上は、高い利息で借り入れている
事にしておいて全て赤字計上、

 

住専から借り入れたお金は返さず
子会社間を行ったり来たりしていたのです。

 

 

その木津信引き上げマネーは、結局その後
大阪厚生信用金庫、信用組合関西興銀、

その子会社である新韓銀行大阪支店
に預け替えをされていました。

 

 

そして、木津信抵当証券の詐欺事件に関連して
末野興産所有マンションの管理人室を本社に設立された
ダミー会社

 

 

「大正地所」

 

 

に捜査のメスが入り、ロールスロイス2台が発見された
と報じられたのもこの頃でした。

 

<つづく>

 

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末野興産その7