許永中と石橋産業 その14

 

「伊豆下田に佐藤工業が開発許可を取った14万坪の土地がある。佐藤工業には70億ぐらいで話をつけてある。

 

住銀は、川崎定徳には頭が上がらないし、川崎定徳は宅見のプレッシャーがある。

 

この物件を若築さんに買ってもらいたい。住銀には、150億の融資を申し込んである。

 

すでに、日本橋の支店長・国重氏には話が通っている。

 

若築の債務保証が必要である」

 

 

「出口の話として、土地は創価学会が買う。

 

亀井静香と小沢一郎がやがて手打ちする。

 

仲介者は竹下登をおいて他にない。

 

その際、亀井静香より話をつけてもらう。

 

創価学会は墓地を必要としているし、その地は最高の土地であるから施設・本堂・会館・墓地・美術館などの建築費約400億、及び許の持っている絵画を含めて1000億円で買ってもらうようになる。」

 

 

結論として創価学会の買い付け証明がないと無理ということになりました。

 

 

許永中が持ち込んできた話で

「福岡の田口工業会長から良い話があった。

 

大阪の東亜というバブルではじけたデベロッパーが所有しているマンションがある。

 

場所は福岡の天神。

 

一等地で当時は70億くらいかかっているが16億~17億くらいで買える」

 

 

目的は、「大阪アメリカンクラブの福岡版をつくりたい。

 

福岡は石橋さんの地元で、アメリカンクラブの会長でもある。

 

地元のVIPをはじめとする社交クラブの場所としてはうってつけ」

 

というものでした。

 

 

 

その費用は「内装工事は約20億くらいかかるだろうが、アメリカンクラブの会員権が約120億くらい集まるので、それで払うから問題ない」といいました。

 

 

しかし、「大阪アメリカンクラブ」の会員権の集金状況が不明だったため石橋社長が拒否すると、許永中は住友銀行から融資を受けることをすすめ、総額50億円を申し込ませた。

 

これに対して、住友は「担保価値は10億程度」と返事。

 

 

結局、銀行に対して石橋産業の信用を失うだけの話で終わりました。

 

 

林社長は、次から次へと許永中から持ち込まれる話の結末について

 

「いずれの話も『金のことは心配いらん』と言っておきながら、債務保証が必要だったり、立替え工事だったり、あるいは最初から保証金を入れさせたりするにあたり、入口の話があるだけで出口のまったく定かでない話 (つまり、買い手がいないとか、会員権をどうやって売るのか入金ベースが不透明)ばかりで、しかも、『ワシの名前は出せないから、石橋さんの名前で出しておいてくれ』とか、後日そのことで暴力団風の人間が石橋産業を訪ねて来たりひどい内容の結果に終わるものばかりでした。」

 

と後年当時のことを述懐しています。

 

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