地上げのやり方教えます 関西高速鉄道 ライトプランニング事件4

最終出口は鹿島建設が土地を取得する予定でしたが社内的に手間取り、ライト社が一時取得するということになり資金が必要だったのです。

 

三和銀行から依頼を受けた阪急電鉄は、子会社である宝栄興産からライト社に融資。

 

原資は三和銀行から紹介されたノンバンク2社から借りたとのこと。

 

関係者によると小松原町の地上げで、阪急電鉄からライト社への融資が実行できたのは、三和銀行プロジェクト開発室の幹部が同行の渡辺頭取と阪急電鉄トップとを引き合わせたからでした。

 

もともと小松原町一帯は、阪急によって梅田コマ劇場の移転にともなう再開発が計画されていましたが、鹿島建設はその再開発計画のなかで用地取得を担当していてライト社から買収した土地にビルを建て、阪急に売る占有卸を予定していました。

 

架空補償など疑惑が続々

その他ライト社が大阪市西淀川区御幣島で手がけた地上げは疑惑に満ちたものでした。

 

現場は大阪市西淀川区役所がある歌島橋という交差点の一角。

 

契茶店とか飲み屋など入ったビルがありましたが、東栄建設住宅サービスという不動産業者が89年4月ごろ、底地約462平方メートルを地上げしました。

 

この土地をライト社は28億円で買収し、約4カ月後大阪府、大阪市などの自治体とJR西日本、住友、三和といった都市銀行などが出資する第三セクターの関西高速鉄道に総額35億円で売却しました。

 

この35億円の内訳は、土地代金24億3千万円、ビルに入っていた店子の補償5億5千万円、地上権残金3億5千万円、残地補償金1億5千万円となっていました。

 

ところが、関西高速鉄道がライト社から土地を買収したとき、店子は前の土地所有者である東栄建設住宅サービスから補償を受け、すでに立ち退いていたのですが、このとき関西高速鉄道はライト社から買収の際、ビルなどにまだ9店が残っていたとして総額約2億3千万円の立ち退き料を支払わされたのです。

 

地上げのやり方教えます!旧三和銀行(東洋プロパティ)ライトプランニング事件1

地上げのやり方教えます 大阪府警 大阪市計画局 ライトプランニング事件2

地上げのやり方教えます 三和銀行 阪急電鉄 ライトプランニング事件3

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地上げのやり方教えます 三和銀行 阪急電鉄 ライトプランニング事件3

その時ある銀行の幹部が一緒でした。

もともとは届け出のため対策室を訪れた水田社長に主幹が友人の土地取引で相談したことが交際のはじまりで、当時大阪市では、高騰する土地が投機対象になるのを抑制するため国土法の監視区域制度を実施しており、計画局土地対策室はそれらを監視、企画主幹は審査、決裁する立場でした。

ライト社からは91年度に数十件の土地取引の届け出があったそうです。

主幹は後ほど水田社長に飲食代などとして15万円ほどを返済したとされていますがこの問題について共産党大阪市会議員団が市当局に疑惑の全容解明を申し入れました。

ところが市は土地対策室の企画主幹がライト社からの接待の報告を受けながら調査もせず放置。

新聞報道で慌てて記者会見をしたことなどが判りました。
この問題で市は当初「便宜をはかったことはない」などと言っていましたが、主幹を不動産業者との不適切な交際をしていたとして減給10分の1を3カ月間の懲戒処分にしたと発表。

このときの市の調査では、企画主幹はライト社から20万円のプリペイドカードを受け取ったり、ゴルフ、料亭・スナックなどの接待を受けていたとされています。

ライト社の地上げ主導は三和銀行

主幹は、疑惑発覚直後から「病気」入院を理由に休職していましたが、結局前回記事に書いた府警幹部と同じく退職してしまいました。

ライト社は大阪・キタの繁華街の一角、大阪市北区小松原町の土地取引で京都の暴力団会津小鉄会系の不動産会社として知られている「窪田」などから宅地19筆計約2800平方メートルを買収。

この際、阪急電鉄の子会社「宝栄興産」から190億円の融資を受けていました。

ライト社は取得したすべての土地を、約3カ月後に大手ゼネコンの「鹿島」に転売。

この土地取引について共産党大阪市会議員団が「一年以内の短期転売を禁止した国土法に違反するのではないか」 と追及しました。

ライト社の地上げは、大手都銀の三和銀行がお膳立てしたものでした。

これは三和銀行から阪急電鉄にライト社に融資するよう依頼があったというのです。

 

地上げのやり方教えます!旧三和銀行(東洋プロパティ)ライトプランニング事件1

地上げのやり方教えます 大阪府警 大阪市計画局 ライトプランニング事件2

 

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地上げのやり方教えます 大阪府警 大阪市計画局 ライトプランニング事件2

警部は、自分のポケットに現金をねじ込まれたが数日後には全額返却

この接待した不動産会社社長は、大阪市北区の地上げにからむ事件で、大阪府警が内偵中の業者で、暴力団との関係も噂となっていました。

 

府警観察室では、警部は事件を担当する部署とは直接関係のない市内の警察署勤務で、接待や現金は職務にからんだものでないこと、社長が捜査中の人物であることを知らなかったことなどの理由で処分にはなりませんでしたが、この件のあと人事異動をきっかけに依願退職。

その日の夕刊各紙が幹部警察官不祥事を一斉に報道しました。

それによると飲食回数が社会通念上の常識をはるかに超え、現金も数十万円単位となり、ゴルフ代金などを含め100万円を返したのは良いが、このゴルフに警部が知り合いの2人の幹部警察官を誘って参加していた・・ということだったのです。

 

この2人は共に暴力団担当の捜査四課の警部で、府警監察室は疑惑を招いたとしてこの二人を戒告処分にしました。

 

また一連の幹部警察官不祥事報道に驚きなのは、中心人物とされ退職した元警部は、ちょうどイトマン事件を担当した刑事の一人だったということです。

彼は当時捜査二課の敏腕刑事として知られ、後に此花署の刑事課長として昇進していました。

 

この大阪府警幹部警察官接待事件で世間を騒がしたのは、「ライトプランニソグ」という不動産業者で、会社登記簿謄本によると不動産・建築、金融のほか朝鮮人参の細胞増殖及び栽培促進の研究受託となっていて89年7月、大阪府箕面市内に資本金2000万円で設立。

 

従業員はわずか2~3人で、翌年大阪市中央区に本社移転して以来、短期間に点々とも事務所を変わるなどしていました。

 

また箕面市内から大阪市内中央区に本社移転した際、同区心斎橋筋の五階建てビルを丸ごと買い取り、ここに同社を債務者にして松下電器100%出資のノソバソク「ナショナルリース」が、49億5000万円の根抵当権をつけていました。

 

さらに、JR環状線京橋駅周辺の同社が地上げした土地に、その「ナショナルリース」が極度額253億5500万円もの根抵当権をつけていたのですが、無名の不動産業者と世界の松下とが、どのような経緯でこのような巨額取引につながったのか皆一同に首をかしげていました。

大阪市土地対策室の 企画主幹も懲戒処分

 

ライト社にかかわる疑惑は、大阪府警だけではありません。

 

大阪市計画局土地対策室の企画主幹が、ライト社の水田社長と大阪市内の飲食店やスナックで会食したりゴルフを共にしていたということが判明しました。

 

地上げのやり方教えます!旧三和銀行(東洋プロパティ)ライトプランニング事件1

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