昔の民族派右翼機関紙より その5 証券スキャンダルの元凶は大蔵省だ


“黒い癒着”は周知の事実

バカにされた一般投資家

 

平成3年9月1日号

平成3年なのでバブルが崩壊して少し余韻が残っている時代ですね。

 

(本文より)

株式市場では株価の低迷が続き一般投資家は値下がりした株を泣きながら持ち続けるしかないのが現状。

 

その一方では大口投資家は証券会社から損失補填を受け、証券業界と大蔵省の黒い癒着が明るみになっています。

 

こんな不公平が横行していては経済大国日本の行く末が案じられます 。 

 

(中略)

 

証券会社と大蔵省の黒い癒着は以前から周知のこと。

それが表面化しなかったのはむしろ遅すぎたほどです。

 

つまり、それだけ大蔵省と証券業界の隠蔽工作が巧妙だったということになります。

 

さて、今回の証券スキャンダルが発覚した当初、大蔵省は責任を証券会社に押し付け業界との黒い癒着を全面否定していました。

 

それが明るみになったのは野村證券の田淵義久前社長が6月27日の株主総会で

「結論的に申し上げれば税の問題です。全部、大蔵省にお届けしているもので、ご承認を得ています」と弁明したのがきっかけです。

 

ところが事態がここまで来ていたにもかかわらず、橋本蔵相は

「行政に責任を転嫁するとはモラルを世間から問われることになる」

と黒い癒着を否定、「大蔵省は関係なかったこと」と臆面もなく反論し、責任逃れを企んでいました。

盗人猛々しいとはこのことです。

 

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当然ながら世論はこれに「証券業界に行政の責任を転嫁するもの」と大反発。

 

橋本蔵相も世論の批判をかわしきれず、それから2週間後の7月10日になってようやく

 

「大蔵省側にも監督責任があった」と認めました。

 

この時橋本蔵相の弁明は次のようなものです。

 

「今回の損失補填は国民の証券市場に対する信頼を大きく損なったと私自身も深刻に受け止めており、何らかの形でけじめをつけたいと思いその方法を模索してきた」

 

「1989年末の通達に基づき、 90年3月末まで損失補填を大蔵省に報告させていたが、その後当局に報告されない補填が明らかになった。当局としては通達違反を把握しきっていなかった」

「私自身を処分することなしに事務方は処分できない。どういう方法があるか考え、内閣官房に相談してきた。閣僚が所管の行政事項で自ら給与を返納したことはかつてないのではないかと思う」

 

そこで処分の中身ですが橋本蔵相は閣僚給与の10%、3ヶ月返納、堀田裕事務次官、松野允彦証券局長は訓告、給与10%、3ヶ月返納です。

 

「何らかのけじめをつけたいと思っていた」結果がこの程度なんだから唖然とさせられてしまいます」

 

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平成4年10月1日号

握りつぶされた“極秘レポート”

シナリオ通りの展開

 

(前略)本紙はこれまでに再三にわたって、日中関係の現状からみて、いまは時期尚早であり、ご訪中は延期されるべきであると主張してきましたが、いよいよ実現されるとあっては、このうえは、ご無事に、平穏にご訪中の日程を終えられることを祈るのみです。

しかし、ここに至るまでの宮沢内閣の対応には、余りにも不透明な部分が多く、かつまた国益に適しているとは思えません。

(中略)

今後、宮沢政治を糾弾せざるを得なくなる事態が起きるかもしれません。

ズルく、したたかで

不透明な政治姿勢

 

このような時期になぜ天皇陛下のご訪中を決定したのか、宮沢首相の真意に疑問を抱かざるを得ないのです。

 

宮沢内閣の閣議決定を前にして、国民世論は陛下のご訪中は時期尚早であるから延期すべきであるとの論と、積極的に推進すべきとの論と二つに分かれました。

 

自民党内も両論に分かれて収拾がつかない状態でした。

 

そんな中で宮沢首相は終始自分自身は積極派でもなく、また反対派でもなく、問題の性質上慎重に対応しているだけ、とのポーズを取りながら、その実誰よりも積極的に推進したのでした。

 

しばしば開かれた自民党の総務会でも、議論がまとまらないまま、白熱状態になっても首相自身は意志を述べることなく、もちろん指導力を発揮する場面はありませんでした。

 

総務会で積極的に天皇のご訪中に賛成した議員たちは今日の日本と中国との関係がどんな状態に置かれているのか、日本の国民感情はどうなのか、日本における天皇の存在はどうであるべきか、といった配慮とは無関係に、とにもかくにも日本は中国と仲良くすることが正しいことなんだ、そのために天皇陛下が中国を訪問されることは良いことなんだ、との考えによるものでした。

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こうした考えは宮沢首相と全く同じで、賛成派の議員は宮沢首相から直接の指示は受けないまでも、暗黙のうちに首相の意向を了承し天皇ご訪中の推進をはかったものでした。

 

日本国民の中には漠然とハト派であることが善であり、タカ派は悪である、といった風潮があります。

 

そうした風潮に便乗して見せたのが天皇訪中賛成に回った議員たちだったのです。

 

ハト派を装うことは、自らを平和主義者として国民に誇示することにもなります。

 

ずるくてしたたかで、その上強引さを隠し持っている宮沢首相は、今度の天皇訪中決定については実に巧みに本領を発揮したということができます。

 

 

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