東洋信金事件では副社長二人が引責辞任しましたが谷井社長は辞めず、松下正治会長らオーナー一族が強く反発し事実上の解任となりました。
谷井社長も辞任の記者会見で、ナショナルリース問題が辞任の主な理由であることを明らかにしました。
同社の最大の融資先はライト社で、最も多いときで1000億円近く融資。
谷井社長はこのライト社問題に直接携わっていたのです。
記者会見で、ライト社への融資と辞任の関係をただす質問に谷井社長は「特定の融資先というより、一連の問題に責任がある」とし、融資はナショナルリースとライト社の問題で三和は関係ないと主張。
しかし、以前の記事に書きました大阪市西淀川区御幣島の土地取引にからむナショナルリースの内部文書に、ライト社に融資を持ち込んだ三和銀行プロジェクト開発室幹部の名前が出てきたのです。
ライト社問題が表面化した時、三期6年の渡辺頭取に退任のウワサが広まりました。
頭取の座に留まったまま「ナショナルリース」問題を主な理由にした松下社長辞任で、今度こそ辞めて当然という声が高まりました。
しかし業務、経常、税引きで念願の「収益三冠王」 を2年連続で達成、住友を抜いてトップバンクになった実績を背景に、一時は異例の四期続投するのでは・・ともいわれていました。
もし辞めても、ライバル行の住友の故磯田一郎氏がかつて頭取から会長に退いたあとも天皇と呼ばれたように、渡辺院政をしくのは必至とみられていましたが、その住友中興の祖、故磯田前会長はイトマンで沈没してしまいました。
後に「エー・アンド・ワイ」 と社名を変更したライト社は、93年9月末時点で、ナショナルリースからの借入残高は817億1100万円にものぼり、渡辺頭取もライト社問題を抱え込んだまま、1998年 名誉会長(2002年 UFJ銀行名誉会長)を経て2005年 にこの世を去りました。
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