地上げのやり方教えます 片福連絡線(JR東西線) ライトプランニング事件5

そもそもこの土地は京橋と尼崎駅間を結ぶ片福連絡線が通ることになっていましたが、鉄建公団は鉄軌道を敷設する場合、買収より費用が安い地上権設定を原則にしていました。

 

したがって鉄建公団は、地下に鉄道を通すため当時土地所有者だった東栄建設住宅サービスとの間で地上権設定の契約を結び、地上権補償金2億8千万円を手付け金として支払いました。

 

一般には地上権付き土地などそんなに流通するものではありませんがライト社が買収してしまったのです。

 

そしてライト社は土地の買い取りを関西高速鉄道に求めました。

そのため土地買い取り総額35億円を支払うことになったのです。

 

その地上権補償金も、前土地所有者の東栄建設住宅サービスには半額の2億8千800万円が支払われ、残りは約2億8千万円のはずでした。

 

ところが、ライト社から買収する際、地上権補償の残金は当初の契約より7千万円も多い3億5千万円にもなっていました。

 

ライト社は4か月の間に、7億円もの利ザヤを稼ぎだし、わずか150坪程の土地に総額37億8千万円がつぎ込まれたのです。

 

片福連絡線(JR東西線)の用地買収費は全部で約500億円と見込まれていて、ここだけでその一割近くを使ってしまった形となりました。

 

 三和銀行の名前がチラホラ

 

なぜ関西高速鉄道が湯水のごとく金を使ってライト社に便宜をはからなけれはならなかったのか。

 

問題の西淀川区御幣島一丁目の土地はライト社の前の所有者東栄建設住宅サービスが土地を取得した際、大阪市内の不動産・金融会社が極度額6億円、イトマンファイナンスが同じく5億4千万円の根抵当権を付けているほか、三和銀行が同社を債務者に極度額1億5千万円の根抵当権を設定、同行系列の三和ビジネスファイナンスがこの土地を担保に13億5千万円を貸し付けていました。

 

前の記事に書いた通り、北区小松原町でライト社の地上げをお膳立てしたのは三和銀行でしたが、ライト社が東栄建設住宅サービスから取得したときは、ナショナルリースが極度額額35億2千万円の根抵当権を付けていました。

 

同時に、東栄建設住宅サービスが三和グループから借りていた約15億円の借入は消されており、この土地取引で三和が15億円の貸付金を回収したほかある、重要な役割を果たしていました。

 

地上げのやり方教えます!旧三和銀行(東洋プロパティ)ライトプランニング事件1

地上げのやり方教えます 大阪府警 大阪市計画局 ライトプランニング事件2

地上げのやり方教えます 三和銀行 阪急電鉄 ライトプランニング事件3

地上げのやり方教えます 関西高速鉄道 ライトプランニング事件4

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最終出口は鹿島建設が土地を取得する予定でしたが社内的に手間取り、ライト社が一時取得するということになり資金が必要だったのです。

 

三和銀行から依頼を受けた阪急電鉄は、子会社である宝栄興産からライト社に融資。

 

原資は三和銀行から紹介されたノンバンク2社から借りたとのこと。

 

関係者によると小松原町の地上げで、阪急電鉄からライト社への融資が実行できたのは、三和銀行プロジェクト開発室の幹部が同行の渡辺頭取と阪急電鉄トップとを引き合わせたからでした。

 

もともと小松原町一帯は、阪急によって梅田コマ劇場の移転にともなう再開発が計画されていましたが、鹿島建設はその再開発計画のなかで用地取得を担当していてライト社から買収した土地にビルを建て、阪急に売る占有卸を予定していました。

 

架空補償など疑惑が続々

その他ライト社が大阪市西淀川区御幣島で手がけた地上げは疑惑に満ちたものでした。

 

現場は大阪市西淀川区役所がある歌島橋という交差点の一角。

 

契茶店とか飲み屋など入ったビルがありましたが、東栄建設住宅サービスという不動産業者が89年4月ごろ、底地約462平方メートルを地上げしました。

 

この土地をライト社は28億円で買収し、約4カ月後大阪府、大阪市などの自治体とJR西日本、住友、三和といった都市銀行などが出資する第三セクターの関西高速鉄道に総額35億円で売却しました。

 

この35億円の内訳は、土地代金24億3千万円、ビルに入っていた店子の補償5億5千万円、地上権残金3億5千万円、残地補償金1億5千万円となっていました。

 

ところが、関西高速鉄道がライト社から土地を買収したとき、店子は前の土地所有者である東栄建設住宅サービスから補償を受け、すでに立ち退いていたのですが、このとき関西高速鉄道はライト社から買収の際、ビルなどにまだ9店が残っていたとして総額約2億3千万円の立ち退き料を支払わされたのです。

 

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その時ある銀行の幹部が一緒でした。

もともとは届け出のため対策室を訪れた水田社長に主幹が友人の土地取引で相談したことが交際のはじまりで、当時大阪市では、高騰する土地が投機対象になるのを抑制するため国土法の監視区域制度を実施しており、計画局土地対策室はそれらを監視、企画主幹は審査、決裁する立場でした。

ライト社からは91年度に数十件の土地取引の届け出があったそうです。

主幹は後ほど水田社長に飲食代などとして15万円ほどを返済したとされていますがこの問題について共産党大阪市会議員団が市当局に疑惑の全容解明を申し入れました。

ところが市は土地対策室の企画主幹がライト社からの接待の報告を受けながら調査もせず放置。

新聞報道で慌てて記者会見をしたことなどが判りました。
この問題で市は当初「便宜をはかったことはない」などと言っていましたが、主幹を不動産業者との不適切な交際をしていたとして減給10分の1を3カ月間の懲戒処分にしたと発表。

このときの市の調査では、企画主幹はライト社から20万円のプリペイドカードを受け取ったり、ゴルフ、料亭・スナックなどの接待を受けていたとされています。

ライト社の地上げ主導は三和銀行

主幹は、疑惑発覚直後から「病気」入院を理由に休職していましたが、結局前回記事に書いた府警幹部と同じく退職してしまいました。

ライト社は大阪・キタの繁華街の一角、大阪市北区小松原町の土地取引で京都の暴力団会津小鉄会系の不動産会社として知られている「窪田」などから宅地19筆計約2800平方メートルを買収。

この際、阪急電鉄の子会社「宝栄興産」から190億円の融資を受けていました。

ライト社は取得したすべての土地を、約3カ月後に大手ゼネコンの「鹿島」に転売。

この土地取引について共産党大阪市会議員団が「一年以内の短期転売を禁止した国土法に違反するのではないか」 と追及しました。

ライト社の地上げは、大手都銀の三和銀行がお膳立てしたものでした。

これは三和銀行から阪急電鉄にライト社に融資するよう依頼があったというのです。

 

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地上げのやり方教えます 大阪府警 大阪市計画局 ライトプランニング事件2

 

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